大韓仏教曹渓宗第15教区本寺である通度寺には、大小19もの庵子が付属しており、慈蔵庵はその一つです。
創建の話は新羅の真平王の時代にさかのぼります。僧・慈蔵が岩壁の下に穴居を建てて修行したのが始まりと伝わり、その後の年代は正確には分かっていませんが、檜峰が重建し、1870年に一度修理を経て、1963年に龍福が再び重建し今に至ります。
境内に入ると、慈蔵殿の前に高さ約4mの磨崖仏が目に入ります。1896年に造られたこの磨崖仏は、中央に阿弥陀仏坐像を、左右には大勢至菩薩と観世音菩薩をそれぞれ陰刻で刻んでいます。慈蔵殿の裏手には、慈蔵律師が唐から持ち帰ったという仏陀の真身舎利塔もあります。
通度寺の本寺から少し歩いて登る必要がありますが、庵子特有の落ち着いた雰囲気と磨崖仏の存在感が、その道のりを価値あるものにしてくれます。